「ずる」 嘘とごまかしの行動経済学 ダン・アリエリー著
TEDやEテレ白熱教室でも紹介された、行動経済学の第一人者でもあるダン・アリエリー教授の第3弾。私的な意見を言えば少し読みやすくなった。
第一章(シンプルな合理的犯罪モデル)を検証するでは、誰しもが「ほんの少しのごまかしは行っているし、罪の意識もしないで行う可能性がある。」事を検証している。そして、第2章(つじつま合わせ仮説)では、ずるをしても自分のなかで正当化している。これは、~していた時間の替わりだから残業代を請求しても良いだろう!なんて小さなこと。また、この章では、「誓約書のサイン」という簡単な方法で減らすことができる言っている。倫理観のリセットとでも言えばよいのか。
第3章(自分の動機で目が曇る)
第4章(なぜ疲れているとしくじるのか)やはり疲れているとどうしてもごまかしたくなるのは人間の性と思う。実験で検証するまでも無いと思うけど。
第5章(なぜにせものを身につけるとごまかしをしたくなるのか)ここは興味深い。偽物ブランドを身に着けていると、ごまかす確率が高くなる。「身なりは人をつくる」である。やはり偽物を身に着けると、中身もやすっぽくなるってことか。
第6章(自分を欺く)もってもいない学位を偽る。そんなことがたまに世間を騒がせる。問題ではあるが、これは逆に使いようである。たとえば「世界一のトップセールスマンだ!」と自分を欺くことで行いがそうなってくる(かも)。
第7章(創造性と不正)ーわたしたちはみな物語をつくるー 病的な虚言者の前頭前皮質の白質が26%から22%多いことが多いらしい。白質とは脳の配線らしい。創造性に優れている人のほうが嘘をつくって言うのかもしれない。頭の回転が速いっていうの人は気をつけろ!って感じでしょうか。
第8章(感染症としての不正行為)マドロフ条件のときはごまかしをする人が増える。つまり、大きな不正をして成功をしているものを見ると小さなごまかしは許されるのではないかと思ってしまうということ。
第9章(協働して行う不正行為)ーなぜ一人よりみんなの方がずるをしやすいのかー
利他的なごまかし。他人だけが利益を得るということで自分を正当化してごまかしをしやすくなるという。また、監視(お目付け役)がいることでごまかしは減るという。また、協働では相手が親しくなることでごまかしが大きくなることも指摘。
第10章(半・楽観的なエンディング)ー人はそれほどごまかしをしないー
まとめの章である。サブタイトルどおりですが、少しでもごまかしを減らすには
「誓約」「署名」「道徳心を呼び起こすもの」「監視」というったことで減らすことができる。でも無くすことはできないんでしょう。
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/12/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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