amlaboのブログ

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「実践BtoBマーケティング」 佐藤義典著

 

 佐藤義典さんの本は今回で3冊目。佐藤さんの考案された「BASiCS」や「せすじ評価」など覚えやすく、筋が通っているのでとても理解しやすいのだと思う。

序章 なぜお客様に「選ばれない」のか?

BASiCについての説明とこの本の構成など、

第一章 お客様の嬉しさを考えよう! ~ベネフィット~

IT会社を例に解説。営業の基本ですがお客様のベネフィット、お客様を「稼がせる」ために何をすれば良いかを説明。ここで佐藤さんのお得意の文字。QCDという3文字を紹介。Q:品質改善、C:「コスト」削減、D:「納期短縮」「安定供給」ということだといっています。また、会計の3要素でさるPL,BS,CFを考えて提案するとよいと。これは相手企業のデータが入手できる相手でないと難しいがGood Ideaです。

第二章 お客様を知ろう! ~セグメンテーションとターゲティング~

顧客組織の意思決定プロセスを知り、顧客戦略を立てるということ。BtoBの営業を行ったことのある人は頭の中ではわかったいるけどアウトプットすることが大事。キーマンの性格分析までできればなお良し。P78の分析表は参考の価値ありです。また、その中でリテラシー(業務内容などの知識の高さ)で相手の対応を変えるということは改めて重要だと認識させられる。名刺の裏に①役職②コミュニケーションプロファイル③リテラシー(高低)④リスク許容度 を記入は良いアイディア。

第3章 お客様のお客様を知ろう! ~BtoBtoC~

お客様の利益貢献と考えれば顧客の顧客について知ることが、直接顧客に訴求する内容を検討するには近道であるのは確かです。社内営業にも使えるというコラムがあったがその通りですね。

第4章 戦場・競合を把握しよう!~競合は自社以外の選択肢~

3Cの一つであるコンペティタをBattleFieldとしているが、面白いのは、「自分は何屋か?」を自問することを勧めている。「ベネフィット」という観点で戦場を定義しようとポイントで述べている。また、「自社がなかったら同じ目的を達成するために何をしますか?」と聞こう!これも納得できる。競合マトリックス作成は横軸に競合利用金額、縦軸に自社の利用金額として作ることをすすめている。

第5章 「お客様に選ばれる理由」を作ろう! ~BtoBの差別化戦略

SWOT分析のSかと思いが、Sをお客様が競合ではなく自社を選ぶ理由と定義している。競合は誰と比べて? 顧客は誰にとって?と改めて考察すること。そして強みはお客様に聞こう!と薦めている。ジョハリの窓的なことです。A:独自資源としての説明では、「ハード資源」目に見える「ソフト資源」目に見えない=らしさとしている。ポイントの「お客様の理想的な褒め言葉」をお客様の言葉で表現!「競合」より自社のほうがいいよね。だって____(強み)だからという表現形式にすること。ソフト資源はSVOC(Skill)V(Vision)、O(Organaization)、C(Connection)と表現もわかりやすい。

第6章 強みをお客様に伝えよう! ~強みを伝えるメッセージ~

SellingMessageとして①一貫性:「強み」をきちんと伝えているか?②お客様に「刺さる」か?「強み」は競合との「嬉しさの差」。その嬉しさの差をお客様の言葉で伝えましょう!と著者は言ってます。

第7章 BtoBの実践営業 ~戦略を実行する方法~

新規顧客の開拓「あげる商品を作ろう」とある。サンプルなどのことを言うが方法は別として顧客になってもらえる物(サービス)をあげるということ。成功事例を作ると営業ツールになる。具体的にはP212プロダクトフローの作成「あげる」「売れる」「売りたい」この3段階の考え方が重要。お客様カルテの作成をすすめているがこれについては「せすじ評価」として別の本でということに。

第8章 「選ばれる」存在から「頼られる」存在になろう! ~戦略BASiCS~

お客様のBASiCを考える。そして、自分がお客様の独自資源になるような「売り方」をしよう!  刺さる言葉でした。農機具のクボタが中国での販売のことを書いた「日経ビジネス」の記事を紹介。レンタルから販売という流れを作って信頼を得た話である。頼られる存在になった好例として紹介。

 

佐藤義典さんの本は一貫性があるのが読者にわかりやすいですね。