amlaboのブログ

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『創造する脳』 茂木健一郎著

創造する脳

創造する脳

 

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 で茂木さんの講義が面白かったので久しぶりに「脳科学」モノを読んだ。

  • 第1章 相続制の脱神話化
  • 第2章 論理と直観
  • 第3章 不確実性と感情
  • 第4章 コミュニケーションと他者
  • 第5章 リアルさと「ずれ」
  • 第6章 感情のエコロジー
  • 第7章 クオリアと文脈
  • 第7章 一回性とセレンディピティ
  • 終章 個別と普遍

 5章では「ずれ」を通して学習する脳とサブタイトルがある。私たちの脳にある図式と世界の中の現実とのずれこそが、私たちが創造的であり続けるために必要な一つの栄養なのである」という。(自分自身との「ずれ」)必ずしも環境や他者との出会いだけでなく自分自身との「対話」を通してもずれの感覚が生じることがある。私たちの脳はそもそも出力を行う環境なしでは情報のループが完成しないとような構造をしている。と著者。言葉、文章にすることの意味だと。なるほど、一流芸能人が自分の出ている番組をみて面白いと思うのはそのずれを見て学習しているのだということなのでしょう。

6章には、(退屈の効用)年齢を重ねると退屈と思うことは本当に少なくなっている。しかし著者は充実した毎日には、「なにかがそこに入るべき余地に欠けている」のだという。退屈とは別の言い方をすれば、社会のなかで自分が置かれた文脈から一時的に自由になることだと。

自分の生き方に自信が持てなくなったり、人間関係に疲れたり、もうこのままではやっていけないと思うとき、新たな自分を作りだすチャンスも迎えている。

この世界に成功を保証されている人間は一人もいない。未来は真の意味で不確定でありその中で生き延びようとして、長い進化の過程でさまざまな感情が発達してきたと。「歓び、悲しみ、怒り、不安、いらだち、退屈、やり場のなさ、フロー、よどみ、笑い、--否定的な物から肯定的なものまで、さまざまな感情がバランスよく生態系を作ってはじめて人間は生きることができると著者。

最終章は、茂木さんのいつもの「セレンディピティ」。これは割愛します。