『これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義』 ウォルタールーウィン著
- 作者: ウォルタールーウィン,東江一紀
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/10/13
- メディア: 単行本
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Eテレ「白熱教室」で放送されたウォルター・ルーウィン博士の授業が面白かった。一般的に物理本は数式が多く読みにくいのだがこの本については、数式はないので超初心者向けかもしれないが、内容については非常に濃いもので400ページある本だが読み応えがあった。また、本文中にURLが紹介され見ることができないページも多いが見ることができるページは貴重な情報源となった。
高校物理で習う内容だが、第3講のニュートンの法則。第2法則のF=maは、重力の加速度は一定だから、重さに関わらず落ちる時間は変わらないことをアポロ15号がハンマーと鷹の羽を月面で落として同時に落ちる様子の映像をURLで紹介していたが、既に見ることができないので、YouTubeで発見(https://youtu.be/KDp1tiUsZw8)地球よりゆっくり落ちるのも見ものです。
振り子のについて考えるでは、身をもって見せる映像は興味を惹く(https://youtu.be/4a0FbQdH3dY?t=26m54s)
物理振り子の周期T は次の式で表される。ここでl は等価振り子の長さ、g は重力加速度である。
\[ T=2\pi\sqrt{\frac{l}{g}} \]
第5講の虹については、太陽とは反対側の40°から42°の間に見ることができる。http://www.atoptics.co.uk/ は美しい虹の画像が多く、大変楽しめるサイトです。
3次虹はあるか?ネット検索すると報告はされているが教授からすると太陽の方向に見つけなくてならないため難しいだろうとの見解だ。また、光は粒子かそれとも波か?という議論についは、トーマスヤングの実験として干渉縞が現れる有名な実験。
第7講 電気の奇跡では稲妻について語られている。稲妻はとてつもない高温にまで熱するとO3(オゾン)を発生させるという事実。雷が通った後はすがすがしい匂いがするらしい。
第8講 磁力について。常磁性体は、アルミニウム、タングステン、マグネシウム、酸素。反磁性体は、ビスマス、銅、水銀、水素、食卓塩の他、木材、プラスチック、アルコール、空気、水などであるということ。ただし、キュリー温度(鉄は摂氏770℃)で磁性がなくなってしまう。ではどうして地球内部が高温なのに磁性があるか、ダイナモ効果と言われている自転と大きく関係しているという。ダイナモ理論では、太陽は11年周期で地場が反転しているという。地球は7000万年で150回以上反転しているという。
第10講 X線天文学。1955年に大気圏を抜けてX線を探すという思いついた人がいた。興味深いところは、太陽のX線が月面から蛍光発光なるものを生じさせているはずだとNASAに企画提案した。2014年日本版moocでブラックホールについて質問で、月面からX線が出ている理由を考えさせた理由がこれで分かった。また、この企画があったからこをX線天体観測が有用であることが証明されたことになったのだと。
第12講では、ブラックホールについてが語られている。コロラド大学のHPは
http://jila.colorado.edu/~ajsh/insidebh/schw.html
ブラックホールに落ちていくとき、外側の世界の上はは赤方偏移、眼下は赤方偏移、地平性の方向は青方変移でみえるらしい。
「目次」は以下
- 第1講 物理学を学ぶことの特権
- 第2講 物理学は測定できなければならない
- 第3講 息を呑むほど美しいニュートンの法則
- 第4講 人間はどこまで深く潜ることができるか
- 第5講 虹の彼方に -光の不思議を探る
- 第6講 ビックバンはどんな音がしたのか
- 第7講 電気の奇跡
- 第8講 磁力のミステリー
- 第9講 エネルギー保存の法則
- 第10講 まったく新しい天文学の誕生
- 第11講 気球で宇宙からX線をとらえる
- 第12講 中性子星からブラックホールへ
- 第13講 天空の舞踏
- 第14講 謎のX線爆発
- 第15講 世界が違って見えてくる
- 補遺2 ニュートンの法則の威力 地球の重さを求める
\[ F_{grav} = G \frac{m_1m_2}{r ^ 2} \\ Fc=\frac{m_1{v}^2 }{r} \\ Fc= \frac{4{\pi}^2{m_2}r}{T^2} \\ F_{grav}=Fc \\ m_1 = \frac {4{\pi}^2 {r}^3}{G T^2} \\ \]
最後の式は\(m_2\)が消えている
ニュートンの第2法則を使っても計算ができる
\[ G \frac{m_1m_2}{r ^ 2} = mg \\ m_{earth} =\frac {g{r}^2}{G} \]