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「インサイドボックス 究極の創造的思考法」ジェイコブ・ゴールデンバーグ、ドリュー・ボイド著

 Thinking outside the box.ということを良くいう。TED で紹介していたHack a "banana, make a keyboard!"  MIT のJay Silverがプレゼンテーションを行っていたことが印象的です。10月8日放送 | Eテレ NHKオンライン

序章から2つの原則

  1. 閉じた世界の原則。身近な資源に目を向けるということ
  2. 形式が機能に従うのではなく、機能が形式に従う。つまり、ひな形のような形式を生みだして次に「機能」を考えると常識から逆の発想。

 第一章 イノベーションは閉じた世界の中にこそ潜んでいる

限られた資源の中だけでどうするか考える。アポロ13が地球に生還できたことを例にとって説明。映画で知ったが感動的なものでしたね。

第二章 引き算のテクニック

(実例)スピーカーと録音機器を取り除いたソニーWalkman

方法として

  1. 製品やサービスの内部の構成要素を洗い出す
  2. 不可欠な要素をひとつ選び、「全面的削除」または「部分的削除」をする
  3. 削除を行った後、で生まれる製品、サービスにメリット、価値、市場を考える。失った機能の代替え要素。
  4. 新しい製品、サービスは実現が可能か?製造できるか?どうして可能か不可能か?等磨きをかける。

第三章 分割のテクニック

3つの方法 ①機能的分割 ②物理的分割 ③機能を維持した分割する。分割後、「空間的組み換え」「時間的組み換え」をする。機能的分割例では、モーターを分割したエアコンの例が面白い。(GE社)

第四章 掛け算テクニック 

①要素を洗い出す②ある要素の数を増やす③そのコピーにすべて、オリジナルと異なる性質を持たせる。⇒一見常識に反した形から、製品が発展して新しいメリットが生まれる。例)ツェツェバエの駆除方法。「不妊虫放飼法(SIT)」という不妊化した雄を放すことで激減させた

第五章 一石二鳥のテクニック

1.内部要素(自分がコントロールできる) 2.外部の要素に(その周辺の物)

       ↓            ×      ↓

A.まったく新しい課題を担わせる      B.既に別の要素が担当していた課題を担わせる

(実例)①アウトソーシング 開発は社外、提供窓口一本化⇒iPhoneアプリ(2×B)

②既存内部資源の活用 ミュージカル俳優に楽器演奏を兼任。出費抑制で新たな演出(1×B)

③内部要素に外部要素を担わせる 一家伝来のハンマー連動WebSiteを作って由来継承する。(1×B)

第六章 関数のテクニック

要素を洗い出し、互い関係ない2つの変数を選び、一方の変化に合わせて、他方の性質が変わるようにする。⇒新たな価値が生まれる

カメレオンのように周囲環境の変化に応じて体の色が変化することがヒント。例として色が変わる哺乳瓶を紹介。ミルクの温度が一定以上になると変化する。

第七章 矛盾を見いだせ

矛盾を構成する3つの要素①利益や恩恵の要求②利益や恩恵を得る為のコスト③其の2つを結び付ける連結要素

実例)SETIのデータ解析①利益:PC能力増強したい ②コスト:支出は圧縮したい ③連結要素:予算の支出はSETIから? ⇒人々のPC余剰処理能力を「寄付」してもらって矛盾を打破。

 

考え方のひとつとしては大変興味ある内容で面白い。「関数テクニック」は訓練しないと難しいが、これが一番市場にないものを考えるには一番良いものができると思う。

インサイドボックス 究極の創造的思考法

インサイドボックス 究極の創造的思考法