amlaboのブログ

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「遺伝子の不都合な真実」-すべての能力は遺伝である- 安藤 寿康著

 みなが思うことで、両親のスポーツに優れている子どもはスポーツができる。頭がいいと子どもも頭がいい。両親が美形だと、子どもも美形。「蛙の子は蛙」っていう事をなんとなく感じている。

そんな疑問から手に取った一冊。父、母から遺伝子を半分づづ受け取り、沢山の組み合わせがあるので、親が優れているから何も努力せずにいると子どもは優れた子どもにならないのは当然でしょう。

行動遺伝学の

第一法則、「あらゆる行動に遺伝の影響がある」

第二法則、特に家庭で共有される「環境の影響がみられない」

人の遺伝子は2万。もし、すべての遺伝子が2つの多型からなる3種類の遺伝子を持つと過程すると数千桁になり、地球の寿命が100億年として、100億人が毎年生まれても20桁くらいにしかならない。だから、全く同じ遺伝子をもつ偶然の2人は同時に生きていることは、一卵性双生児以外には現れることはまず無いと筆者。

行動経済に遺伝子が影響している

DRD4という遺伝子が浪費行動をするかどうかに関わっているのではないかということを研究している。時間割引率の好みで「時間選好」型になる。すくない見返りでも我慢できる人がいること。

経済ゲームでの遺伝子--最後通牒ゲームでは40%、独裁者ゲームでは30%が遺伝の影響を受けている。しかし、「遺伝の影響はの表れ方は環境によって異なる」ということで結んでいます。

遺伝子の民族差

不安などとの関係性が指摘されるセロトニン・トランスポータ遺伝子が欧米人より東洋人のほうが大きい。「個人主義的」「集団主義的」か?

韓国、台湾、中国、シンガポール集団主義的な要素が強い、アメリカ、イギリス、オーストラリアは個人主義的な要素が強い。日本はその中間らしい。

 

結論としては、遺伝の影響は、環境によって出たり出なかったりする。ということかなということらしい。紹介されていた、望ましい子どもを作るというSF映画「ガタカ(GATTACA)」は一度見ておきたい。

 

遺伝子の不都合な真実: すべての能力は遺伝である (ちくま新書)

遺伝子の不都合な真実: すべての能力は遺伝である (ちくま新書)